下車前途無効の乗車券に押される下車印
- keisei3304f
- 2020年4月27日
- 読了時間: 4分

上野→五香の片道乗車券です。みどりの窓口が閉まる10分前にお願いしたときは、「マジかぁ・・・」と苦笑いされましたが発券してくれました。乗車券メニューの金額入力-自・社区間で発券されています。通常、マルスできっぷを発券する際は経路を入力することで、運賃が自動算出されて発券されます。ところが、今回のようにマルスに運賃が登録されていない場合(首都圏の多くの会社線はマルスに運賃が入ってません。)は話が違ってきます。ただし、駅名のデータは入っています。通常通りに発駅:上野 着駅:五香を入力してもマルスから「再考:口座なし」が返されるだけです。このような場合は乗車券メニューの金額入力-自・社区間から入る必要があります。では実際に発券手順を追ってみましょう。
1. 旅客連絡運輸規則別表を参照し、要求区間が発売できるかどうか確認する。
2. 同時に松戸駅の接続駅コードを確認する。
3. 金額入力画面のJR線区間に発駅:上野 着駅:松戸を入力する。
4. マルスから営業キロ17.9km 運賃310円が返される。
5. 接続駅欄に松戸 接続駅コード:4653を入力する。
6. 社線営業キロ7.4km、社線運賃180円を入力する。
7. マルスがYESを回答、発券される。
以上の手順で今回の乗車券が発券されました。1の場合と異なり、経由もしっかりと印字されています。また、120mm券と呼ばれる乗車券ですので自動改札は対応しておらずスタンパーによる入鋏となります。
さて、券面の右上に松戸の下車印が押してあります。下車前途無効のきっぷのはずなのになぜ下車印が押してあるのでしょうか?
根拠が旅客連絡運輸規則(以下、連規)第76条ただし書第1項の例外規定に明文化されています。
以下、連規第76条の引用
(途中下車)
第 76 条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため 2 駅以上を共通の着駅とした乗車券については最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び
列車等に乗り継いで旅行すること(以下「途中下車」という。) ができる。ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。) においては、途中下車をすることができない。
⑴ 全区間のキロ程が片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。
ただし、列車等の接続駅で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
これを見ると、「通常は途中下車が可能」であり、「片道100km未満の乗車券は下車前途無効」であるが、「接続駅では途中下車が可能」という例外の例外のような構図が浮き彫りになっています。実際に連絡改札の無い駅などでは改札を出ざるを得ないですし、この条文を見る限りは「接続駅ではキロ数、大都市近郊区間相互に関係なく途中下車が可能」と言っているように見えます。しかし、読者の中には「例外の例外規定を改札が本当に認識しているのか?」と疑問に思われる方も少なくないでしょう。私はすでに何枚かこのような連絡乗車券を発売してもらい、下車印を依頼しましたがほとんどの駅で押印してもらっています。唯一、柏駅では途中下車ではなく単なる乗り換えとして処理されたので下車印を押印してもらえませんでした。連規を参照してもらうことも考えましたが、あいにく改札が混雑しており叶いませんでした。とはいえ、ほとんどの改札は押してくれるのでそこまで心配する必要もないでしょう。
最後に、新京成線とJRの連絡運輸区域を紹介します。
(228)新京成電鉄
連絡運輸区域
東京都区内、横浜市内、中央本線(吉祥寺-立川間)、東北本線(川口-大宮間、戸田公園-北与野間)、
常磐線(北松戸-取手間)、総武本線(市川-千葉間)各駅
松戸接続[接続駅コード:4653]
津田沼接続[接続駅コード:4554](津田沼-新津田沼)
社線旅客運賃設定駅
京成津田沼を含めた全駅
以前は新京成-JR-流鉄、新京成-JR-京成といった3社連絡運輸も存在していましたが数年前に廃止されてしまいました。新京成で3社連絡乗車券を発売する場合は出札補充券が使われていました。
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